




Papio hamadryas
マントヒヒ(Papio hamadryas)は、アフリカの角とアラビア半島の南西部にすむ大型の旧世界ザルです。乾いた岩だらけの土地でくらし、夜はがけでねむります。おとなのオスは銀灰色のマントのような毛をまとい、顔とお尻はピンクがかった赤色。メスの体重はオスの半分にもとどかず、毛はオリーブがかった茶色です。古代エジプトの人びとはマントヒヒを知恵の神トートの聖なる動物とし、はるか遠いプントの国からヒヒを運ばせました。
別名 ヒヒ, ハマドリアスヒヒ, 狒狒





レア度: 一般
2音 おとなのオスのほえ声
4 32本の歯のうちの犬歯
31以上 顔と体のサイン
4種類 地中の食べもの
2 毎月食べられていた植物
11 1つのバンドが使ったねぐらのがけ
≈10年 マントとピンクのお尻がそろうまで
モデルの点か、下のリストの部位をタップしてね。
≈10年 オスにマントが生えるまで
15 表情をつくる筋肉の数
3 色を感じる細胞の種類(旧世界ザル)
32 歯の数
7 片耳を動かす筋肉の数
2 毛のないすわりクッション
4 ほり出す地中の食べものの種類
6.5〜19.6 km 1日に歩く距離
38〜61 cm しっぽの長さ
2 毎月食べられていた植物
オス、メス、子どもで、見た目がまったくちがいます。1つ選ぶと、モデルの色が変わります。
ヒヒは顔や体、声で話します。研究者や飼育員によると、それぞれのサインにはこんな意味があります。
写真はウィキメディア・コモンズから。そのうち4枚で3Dモデルの色を変えられます。
科学者や動物園がはかった数字を、イメージしやすいくらべっこといっしょに紹介します。
それぞれの文が「ウソ」か「ホント」かタップして、答えをたしかめてみましょう。
8問中0問回答
ヒヒはオナガザル科(Cercopithecidae)の旧世界ザルです。類人猿にはしっぽがありませんが、マントヒヒには38〜61 cmのしっぽがあります。[11, 1, 7]
かつては、エジプト人や商人が連れていったと考えられていました。しかし何百頭ものヒヒのDNAから、ヒヒは自力でアフリカからわたったことがわかりました。おそらく、せまいバブ・エル・マンデブ海峡を、約13万年前から1万2000年前のあいだにわたったと考えられます。[21, 22]
神殿の絵には、プントから来た船に乗るヒヒがえがかれています。2020年には、ヒヒのミイラに残る化学的な手がかりから、2頭のふるさとが、今のエチオピア、エリトリア、ジブチと、ソマリアやイエメンの一部にまたがる地域だとわかりました。エジプトに野生のヒヒがいたという証拠はありません。[23, 24]
マントヒヒは、文字と知恵と月の神トートの聖なる動物でした。ヒヒは3000年以上にわたってエジプトの美術に登場し、たくさんのヒヒがミイラにされました。[23, 24]
ふつうのあくびもたくさんあります。でも、オスが犬歯を見せてする威嚇のあくびは、ライバルや天敵へのおどしです。[2, 16, 1]
人があげる食べものやゴミにひかれて、ヒヒは町にやって来ます。そして家や車、畑をあらし、人をおそうこともあります。サウジアラビアの調査では、住民の86%が「ヒヒにえさをあげるのは有害だ」と答えました。[25, 10]
生まれたばかりの赤ちゃんは黒い毛なので、すぐに見つけられます。生後半年から1年ほどでオリーブがかった茶色に変わります。[1, 2]
トループの中にはたくさんの小さなワンメイル・ユニットがあり、それぞれにリーダーのオスがいます。水場を選ぶとき、リーダーたちは行きたい方向に数歩進むことで「投票」しているようです。[1, 26]
このように何層にもなった社会が見つかっているのは、おもに3つのグループの霊長類です。一部のヒヒとゲラダヒヒ、アジアのリーフモンキーの一部、そしてヒトです。
がけから水場へ、そしてまたがけへ。毎日がそのくり返しです。
エジプトに野生のヒヒはいませんでした。それなのに、ヒヒは3000年以上にわたってエジプトの美術に登場します。
「いちばん」と記録の持ち主を、それぞれ出典とつき合わせて確認しました。
ヒヒは6種います。なかでもマントヒヒは、銀色のマント、ピンクの顔、そしてめずらしい社会で目立っています。
| マントヒヒ | アヌビスヒヒ | チャクマヒヒ | |
|---|---|---|---|
| 学名[11, 31, 8] | Papio hamadryas | Papio anubis | Papio ursinus |
| すんでいる場所[1, 31, 8] | アフリカの角とアラビア半島南西部 | もっとも分布が広いヒヒ。アフリカの広い範囲 | アフリカ南部 |
| おとなのオス[1, 31, 8] | ≈21.5 kg | ≈25 kg | 26〜31 kg |
| おとなのメス[1, 31, 8] | ≈9.4 kg | ≈14 kg | ≈15 kg |
| オスの毛[1, 31, 8] | 銀灰色のマント | オリーブがかった灰色。体の前側にたてがみ | たてがみはなく、首の後ろの毛が少し長いだけ |
| 顔とお尻の皮ふ[1, 31, 8] | ピンクから赤 | こい灰色から黒 | 紫がかった黒 |
| 群れ[4] | クラン・バンド・トループの中にワンメイル・ユニット | たくさんのオスとメスからなる群れ | たくさんのオスとメスからなる群れ |
| 生まれた群れを出るのは[4] | おもにメス | オス | オス |
| IUCNレッドリスト[32, 33, 34] | 低懸念 | 低懸念 | 低懸念 |
エチオピアのアワシュ川流域でマントヒヒとアヌビスヒヒが出会う場所では、2種がまじり合って雑種が生まれています。
ヒヒは力が強く、かしこく、大きな犬歯をもっています。遠くから静かに見ていれば、たいていは気にもとめません。
えさはあげない
おやつもダメ
人があげる食べものやゴミのせいで、ヒヒは家や車、畑をあらすようになります。サウジアラビアのある地域の調査では、住民の86%が「ヒヒにえさをあげるのは有害だ」と答えました。[25, 10]
近づかない
きょりをとろう
マントヒヒは、人が近づくと攻撃的になることがあります。じゅうぶんにはなれて、ぜったいにさわろうとしないでください。[2]
見つめない
見つめるのはおどし
ヒヒにとって、じっと見つめられるのはけんかを売られたのと同じ。落ち着いて目をそらし、ゆっくりはなれましょう。[2]
食べものをかくす
かばんもゴミ箱も閉める
見える場所にある食べものや、ふたのないゴミは、ヒヒを引きよせます。食べものはしまい、ゴミはしっかり閉じておきましょう。[25, 10]
15分
かみ傷・ひっかき傷は洗う
動物にかまれたりひっかかれたりしたら、おとなに知らせて、傷口を石けんと水で少なくとも15分間洗い、すぐに病院でみてもらいましょう。[35]
いいえ。広い範囲にすんでいて、サウジアラビアの一部ではふえています。大きな課題は、人とどう共存するかです。
全12問。答えはすべてこのページのどこかにあります。
第1問/全12問スコア 0
答え:マント。 マントは、ほおから肩、背中までをおおいます。オスの体が大きくなりきってから、はじめて生えます。
答え:トート。 トートは文字と知恵と月の神でした。
答え:黒。 赤ちゃんは黒い毛で生まれ、生後半年から1年ほどでオリーブがかった茶色に変わります。
答え:がけの岩だなの上。 切り立ったがけなら、ヒョウの手がとどきません。あるバンドは11か所のがけを使っていました。
答え:ワンメイル・ユニット。 リーダーのオス1頭、メス1〜9頭、その子どもたちです。
答え:体にふくまれる酸素とストロンチウムから。 こうした化学的な手がかりは、その動物が育った土地をしめす「地理の指紋」のようなはたらきをします。
答え:≈21.5 kg。 メスの≈9.4 kgの2倍以上です。
答え:おどし。 だから、野生のヒヒをじっと見つめてはいけません。
答え:自力でアフリカからわたった。 DNAから、13万〜1万2000年前に、おそらくバブ・エル・マンデブ海峡をわたったことがわかっています。
答え:ドームヤシとアカシア。 1年のどの月にも食べられていた植物は、この2つだけでした。
答え:32本。 32本で、そのうち4本が犬歯です。
答え:少なくとも15分。 そのあと、おとなに知らせて、すぐに病院でみてもらいましょう。
Snappitの図鑑から、食べもの・食物網・安全・バッジの情報です。
マントヒヒは、おもに植物を食べます。草、種、根、果実、花などです。昆虫も食べ、肉はめったに食べないおまけです。
主な食物

ヒョウ捕食される
ヒョウは木の上や地上でヒヒを待ち伏せする、隠密行動が得意な捕食者です。
コシジロイヌワシ捕食される
ワシは岩棚からヒヒの子供をさらうことがあります。
サバンナアカシア食べる
ヒヒは、この乾燥に強い木のさや、葉、花を食べます。
危険度 3/5 · 中程度
ヒヒを観察するときは常に安全な距離を保ち、絶対に触ったりエサを与えたりしないでください。
耳、鼻先、尾、足、毛の模様を比べてみましょう。近くに比べるものがないと大きさは判断しにくく、子どもの哺乳類はまだ成獣の毛色になっていないこともあります。 哺乳類を調べる:写真をアップロードして、写っている特徴を比べましょう。
70-140 cm
10-37 kg
20-30 年
マントヒヒは、おもに植物を食べます。草、種、根、果実、花などです。昆虫も食べ、肉はめったに食べないおまけです。
乾燥した岩だらけの土地。半砂漠、ステップ、草原で、がけや岩場があるところにすんでいます。
1-2
力が強く、大きな犬歯をもち、人が近づいたときや、人から食べものをもらえると覚えてしまったときには攻撃的になることがあります。遠くから見るだけにして、ぜったいにえさをあげず、じっと見つめないでください。動物にかまれたりひっかかれたりしたら、おとなに知らせて、傷口を石けんと水で少なくとも15分間洗い、病院でみてもらいましょう。
おもに植物です。アカシアの花・たね・葉、ドームヤシの実、草、それにほり出した根やいも(塊茎)、球茎などを食べます。昆虫も食べ、とくにバッタの大群が来たときによく食べます。ときどき小さな動物を食べることもあります。
マントヒヒは、文字と知恵と月の神トートの聖なる動物でした。エジプトには野生のヒヒがいなかったので、エジプト人はヒヒを外国から運びました。はじめはプントの国から、のちには今のエリトリアから、おそらくアドゥリスの港を通して運ばれました。たくさんのヒヒがミイラにされました。
アフリカの角(エリトリア、エチオピア、ジブチ、ソマリア、スーダン東部)と、アラビア半島南西部の山地にある、乾いた岩の多い半砂漠やステップ、草原にすんでいます。アラビアにいる野生のサルはマントヒヒだけです。
ヒヒのお尻には、かたい皮ふでできた毛のないクッションが2つあり、「尻だこ」とよばれます。マントヒヒではそのまわりの皮ふがピンクから赤色で、オスのお尻は約10歳で一人前になると、あざやかなピンクになります。
マントヒヒの家族のグループのことで、リーダーのオス1頭とメス1〜9頭、その子どもたちからなります。いくつかのユニットが集まってクランに、クランが集まってバンドになり、同じねぐらのがけを使うバンドどうしでトループになります。
野生では約20年、動物園では約31年です。記録上もっとも長生きしたのは人に飼われていたオスで、37.5歳まで生きました。
いいえ。IUCNレッドリストでは「低懸念」とされ、サウジアラビアでは数が急にふえています。おもな問題は、農作物や家畜、ゴミをめぐる人とのトラブルです。
発見を持ち帰ろう
Snappitで撮影して種類を調べ、発見をコレクションに残せます。